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第52話

「シエル様、アルベール様がこれを飲んでおけと…」 ある日、奴隷が差し出したのは、ピンク色の液体が入った小瓶。 どう見ても、ただの飲み物とは考えにくかった。 奴隷は小瓶のコルクを抜き、アルベールの命令通りにそれをシエルの口に入れて飲ませ、部屋を出ていった。 「はっ……ぁ……!!な…にこ……れぇッ………!か、ゆぃっ!!」 飲んで数分、シエルの体は異常な痒みに襲われた。 全身を掻き毟りたくても、両手両足は使えず、鎖がシャラシャラと音を鳴らすだけだった。 「ぁっ…いやぁ……ッッ!痒ぃっ……!痒い〜ッッ…はっあぅ…!!」 スリスリと体をシーツに擦り付けるが、刺激が足りずに余計に痒くなってしまうばかりで、シエルはいやいやと首を振り続けた。 ペニスやアナルの中にもじわじわと薬が回り、シエルはベッドの上でのたうちまわりながら、もがき苦しんだ。 「シエル、随分と楽しそうだな」 靴音が部屋に響くと同時に、アルベールの冷たい声が聞こえた。 「あ…っ、アル…様ァッ!!た…す…けてっ!!痒ぃ…ッ」 「どうして?楽しそうじゃないか」 「やぁ…っ!!おねが…っしま…ぅ…!たしゅけ……てくだぁ……いっ!!」 シエルが何度も懇願の目を向けて助けを乞うと、アルベールは腕を組んでニヤリと笑い、シエルの両腕の枷を外した。

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