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第57話
アルベールはシエルの首筋に顔を埋め、ペロリと舌を這わせた。
「ふっ…ぁあ、アル様!ンぅッ…!!」
ちぅっと吸い付き、アルベールはシエルの首にキスマークをつけた。
我に返って後悔をした。
こんなの奴隷にする行為じゃない。
まるで恋人がするような行為じゃないか。
アルベールは頭を抱えて、何と言い訳しようか考えを巡らせた。
「アル様………?」
「おまえが俺の奴隷だという印だ。深い意味はない」
「……………??」
シエルは目をキョトンとさせて、首を傾げた。
幼く無知なシエルは今の行為はおろか、キスマークさえ知らないのだ。
「わぁ!ぁ…、アル様っ!」
アルベールは自分の今日の行いは甘すぎだと心の中で一喝し、シエルを組み敷き、いつも通り慣らさずに自身のペニスを思い切りシエルに突き刺した。
「アアァァ──ッッ!…ア…ル様…っ!!!」
「今日はキツイな…」
「んっ…ぁ、嬉し…ぃっ…!!アル様ァッ…!ふっ、ぁ…!もっと、僕で気持ちよくなって…ぇ……!!」
甘い雰囲気にシエルは酔いしれた。
何故か今日は嬉しくて、シエルは涙を流しながら腰を振り、アルベールに身を委ねて抱かれ続けた。
行為を終え、アルベールが部屋を出た時にはもう日は完全に沈んでいたのだった。
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