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第71話
シエルが目を覚ましたのは既に日が落ちる頃だった。
昨日よりも早い時間に、兵士三人はシエルの部屋を訪れた。
アルベールが帰ってこないと分かっているシエルは、部屋に入ってくる人物が誰かすぐに察し、ベッドの端に身を寄せた。
けれどそんな抵抗関係なしに、兵士達はシエルが包まっていたものを剥いで、両手足を押さえつけた。
手錠を嵌められてベッドヘッドに固定され、体にのしかかられると、力の弱いシエルには抵抗することはできなかった。
「シエルちゃんが昨日全然感じてなさそうだったから、お兄さん達が魔法のお薬持ってきてあげたよ〜」
「今日はこれでたくさん気持ち良くなろうねぇ」
兵士がピンクの液体が入った小瓶をチラつかせ、シエルはそれを見てギョッとする。
以前アルベールに飲まされた薬にそっくりであったからだ。
嫌だ嫌だとシエルは何度も首を横に振るが、鼻を摘まれて、無理矢理飲み込まされてしまった。
「即効性だからすぐに気持ち良くなるからね」
「うっ…、ぁっ、なにっ………!?」
前のような痒みではなく、ドクドクと体中の血液が煮えたぎり、体全体が火照っていくような感覚にシエルは困惑する。
それを見ている兵士達は、ニヤニヤとシエルの表情を楽しんでいた。
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