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第87話
「まぁつまりは、シエル=ランベリクを寄越してくれるなら同盟関係はそのままでいいし、俺はペリグレットを攻めようとも思わない」
「それは無理な話だな」
「どうして?なんで君はあの子に固執するの?
抱き心地のいい子ならいくらでも寄越すよ。お願いだから、シエル=ランベリクを俺にちょうだい?」
アルベールが黙りこむと、エルヴィドはふふっ、と楽しそうに笑った。
「同盟破られたらマズイの分かってるよね?君が得意としてるのは剣術。対して、俺の得意なのは銃撃戦。どちらが有利なのかなんて、一目瞭然だよね」
選択肢は与えない、とエルヴィドは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
互いに譲らず沈黙が続いたが、扉がノックされたことで一旦その緊張が解けた。
「お話中失礼致します。
アルベール様、シャーロット家のミリィ様がお見えになりました。どうされますか?」
「ちっ。こんなときに…。今行く」
大事な話をしているときに、さらに面倒なのが来たと、アルベールは舌打ちをしてソファを立った。
「クライトマン、悪いが少し席を外す。この部屋でなら好きにしていいが、部屋からは絶対に出るな。」
「はいは〜い!ミリィちゃんここに連れて来てもいいよ〜」
「遠慮する」
アルベールは少し早足気味に部屋を後にした。
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