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第112話
「そんな怖がらないでよ。アルベールから聞いてないの?私はアルベールの婚約者の、ミリィ=シャーロットよ。今日はあなたにお話があって来たの」
「こ……んやく…しゃ………?」
「え、そんなことも知らなかったのぉ?一国の王なのに、婚約者がいないわけないじゃない。考えたらわかることなのに、お馬鹿さんね」
うふふと楽しそうに笑うミリィとは対照的に、シエルは泣きそうな顔でミリィを見上げた。
「お話って何ですか…?」
シエルは恐る恐る、ミリィに話の内容を尋ねた。
ミリィはうっとりとした顔で、顎に両手を当てて話しはじめた。
「昨日ね、久々にアルベールが抱いてくれたのぉ〜!とっても激しくって、まだ腰が痛いんだけど…。でも、愛されてる証だって思えば、全然苦痛じゃないのよね」
「そ……そうなんですか………」
「あ、あとね!すごーーーく濃厚なベロチューしちゃった!アルベールったら、私が苦しいって叩いても離してくれなくってぇ〜!彼、すごくキスが上手じゃない?もう私、気持ちよくって……、って、どうして泣いてるの?」
ミリィの言葉に、シエルはショックを受けて涙を流した。
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