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第114話
「あはは!シエルちゃん可哀想〜!アルベールったら、期待させちゃってたんだね?だって、婚約者がいることも教えてもらってなかったんでしょ〜?」
シエルはミリィの言葉に唇を噛む。
「ねぇねぇ、シエルちゃんはアルベールに前戯してもらったことある?あれ、気持ちいいよねー?アルベールったらすごく上手だから、私たくさん感じちゃうの。シエルちゃんもでしょ?」
「も…、もうやめて………」
「セックスの後も抱きしめて眠ってくれるしぃ?本当にアルベールって、女の子への接し方が成ってるわよね〜」
「やめてってば!!!」
ミリィの嘘が詰まった言葉を、本当の事だと信じて疑わないシエルは、両手で耳を塞いで叫んだ。
「もぉ〜!そんな怒んなくていいじゃない!ま、とりあえずアルベールのことは諦めてよね。私の男なんだから」
「い……嫌っ…!!ぼ…僕だって……、アル様のことが好きなんだもん!!」
「ふぅん。
……………じゃあ、ここで消えて?」
そう言ったミリィは、目にも止まらぬ速さで胸元から短刀を抜き、シエルの喉元へ突き刺そうとした。
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