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第116話

エルヴィドは顔を青くして固まるシエルを抱きかかえ、部屋に入り、ソファに座らせて毛布をかけた。 「ごめんね、シエル。俺がいなかったばかりに、あんな怖い目にあわせて……」 「だいじょ……ぶ……」 「怖かっただろう?これからは女兵もしっかり配置して置く。みんな色仕掛けでやられたみたいだ。城の警備体制も緩くなったもんだね…」 エルヴィドが毛布の上からシエルを抱きしめ、ゆっくりとしたリズムで背中を叩いていると、安心したのかシエルはうとうと目を閉じた。 そのとき、エルヴィドはガラス戸の外に動物たちが集まっているのを見つけ、シエルの頭を撫でながら問いかけた。 「彼らは、シエルの友達?」 「………?……あっ!」 ガラス戸の外に集まっていたのは、先ほどシエルと戯れていた小動物たちで、シエルはよろよろと立ち上がりながら、中庭への扉を目指した。 「ああ、待って。その子たち、中に入れてあげるから、シエルは休んでて?」 エルヴィドが扉を開くと、動物たちはエルヴィドに少し警戒しながらも、おずおずとシエルの元へ進んだ。 動物たちがシエルを取り囲み、それに癒されたのかシエルにも少しずつ笑顔が戻ってきた。 エルヴィドは嬉しそうに微笑むシエルの顔が可愛くてたまらなく、ニヤける口元を抑えられなかった。 しかし、また暗い表情に戻ってしまったシエルに、エルヴィドも動物たちも心配して顔を覗き込んだ。

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