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第122話
自分の気持ちをマリアに伝えようと、エルヴィドはマリアの唇に、チュッとキスをした。
まぁ、ただの子どもの戯れだと、軽く笑って流されてしまったのだが……。
「ありがとう、エルヴィド君。シエルもすごく喜ぶと思うわ。この子こそちゃんと守り抜かないと………」
ふと、マリアの言葉に違和感を抱いた。
この子こそって………?
「マリアさんにはもう一人子どもがいたの?」
「えぇ。エルヴィド君が6歳だから、生きていたらあの子は今7歳かしら……。一年前に誘拐されてしまって、見つかっていないわ…」
「どうして?メジエール国はシエルが第一子だって聞いたよ?」
「…………夫がね、隠したいと言っていて。お城の外にも出してあげたことなかったわ。あの子に空を見せてあげることもできなかった。あの子は今どうしているのかしら。どこかで生きているのかな……?会いたいよ、アベル………」
マリアはポロポロと涙を流した。
大切な息子を失ったんだ。
悲しいに決まっている。
その後も、マリアは愛おしそうに、その息子の話をエルヴィドに話した。
結局パーティーは16時にお開きになり、マリア達はメジエールへと帰っていった。
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