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第125話
そして向かったオークション会場。
100回記念ともあり、各国の有名な貴族たちが、ぞくぞくと会場に集結していた。
鉄の首輪を付けられ、ステージに引っ張り出される奴隷達。
一番最初に紹介されたのは、マリアとはまた違う雰囲気の奴隷だった。
けれど、出来れば自由にしてあげたいと、エルヴィドは持ってきていた3割程度の金額を提示し、彼女を競り落とした。
会場が盛り上がる中、最後に紹介されたのは、エルヴィドの探し求めた、かつて愛した彼女の息子である、シエル=ランベリクだった。
ありえない。
そんなことがあるのか?
信じることができなくて、エルヴィドは目の前に運ばれてきた少年を、まじまじと見つめた。
宝石のようだと称されたオッドアイ、
そして何よりも、顔の作りがマリアにそっくりだった。
シエルで間違いないと、まだ手持ちに残っている1億5千万強、全てつぎ込もうと、エルヴィドは番号札を手に握った。
しかし、それはある第一声に打ち砕かれた。
アルベール=ヴィクトリアだ。
奴は10億という信じられない金額を提示して、会場を去った。
エルヴィドはシエルを助けられなかった悔しさに唇を噛み、シエルを取り返すべく計画を立てて行動に移したのだった。
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