135 / 266
第135話
夕刻、アルベールが地下牢を訪れると、シエルは苦しそうに息をして眠っており、牢内の人間の数は明らかに減っていた。
「おまえら、また食ったのか…」
ハァ…とため息をついて、アルベールは念のために持ってきていた酸素ボンベを、シエルの口元に当てがった。
五分ほどして、シエルの呼吸は安定し始めた。
薄っすらと目を開けたシエルは、気を失う前のことを思い出し、体を固まらせた。
「ぁっ………、アぅ…様………」
「少し落ち着け。スープ持ってきたから」
シエルの手に付けられた拘束具を外し、上肢を起き上がらせ、シエルの背を支えながら、アルベールはシエルに食事を与えた。
しかし、食事の中に僅かではあるが肉があり、それを見た途端、さっきの光景がフラッシュバックして、シエルは口に含んだスープを全て吐き出した。
「なにしてる」
「ゲホッ!ゲホゲホッ!うっ……、アアァァァ!!!」
シエルは泣き喚いてアルベールを突き飛ばし、此処から逃げようと、台から降りようとした。
足は拘束されたままで、そのままシエルの上肢だけぶらんと宙に浮いた。
アルベールはシエルの上肢を抱いて台の上に戻すが、シエルは叫びながら、アルベールの体を叩いた。
「アァウ!!アッ、アアァァアア!!!!」
「シエル、落ち着け」
「嫌ぁああ!!!死ぬっ…!!殺されるっっ!!」
「大丈夫だから。何があっても、おまえだけは絶対に殺さない」
アルベールは片手でシエルを抱き締めながら、もう片方の手で、シエルのアナルからバイブを取り出した。
ともだちにシェアしよう!