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第181話
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15年前、ペリグレットの一等地には多くの上流階級の貴族が居住していた。
貴族たちは自分の富と血統を辺りに自慢しては、貴族以外の人間を見下して笑いながら、暮らしていた。
そんな邪な貴族たちが暮らす一等地の中で、ある浮いている貴族が存在した。
貴族の名はジューベル家。
ジューベル家はよく下町に下り、貴族以外の人間達に食物や衣服を与えていた。
他の貴族には「同じ貴族だとは思えない」「ここから出て下町で暮らせ」「気持ち悪い」などと罵声を浴びせられていたが、それでもジューベル家は、家族仲良くいつも笑顔で、下町に住む多くの人から愛されていた。
「バルト!もうすぐおやつの時間よ!早く町に下りましょう?」
「はい!姉様」
ジューベル夫妻には、聡明で容姿端麗な二人の子供がいた。
バルトはジューベル家の長男として生まれた、貴族の子供であったのだ。
そして、バルトの姉は清楚な見た目とは裏腹に、かなりのお転婆娘で笑顔の絶えない女性だった。
下町の子供たちともあっという間に仲良くなった彼女は、三時になるとお菓子の詰まったバスケットを片手に、弟であるバルトを連れて下町へ出かけていた。
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