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13章【嵐の前の静けさ】

バルトとエルヴィドが話す一方で、シエルの部屋では、アルベールとシエルが性交に及んでいた。 「アル様…っ」 「どうした、俺を気持ち良くするんだろう?」 「んっ……、んっ……気持ち…っぃ??」 「あまり気持ち良くはないな」 「ふぅ…ぁ……っ、どし…たらいの?」 ベッドに寝そべるアルベールの上には、一糸纏わぬシエルの体。 最近、アルベールに尽くしてもらってばかりのシエルは、自らアルベールを気持ち良くすると申し出たのだ。 アルベールはベッドに横になり、 「好きにしろ」と一言。 その結果、シエルはアルベールの均整のとれた腹筋に手を当てて、必死に腰を上下に振っていた。 しかし、力のないシエルは、ふにゃふにゃと頼りない腰振りを見せ、さらに、恐怖心からか体重をかけずに体を下ろしていた。 一生懸命に頑張っても、全く感じていないアルベールの顔を見て、シエルは涙を溜めながら、必死に腰を振り続けた。 「シエル。俺を気持ち良くしたいなら、これくらい勢いつけてみろ」 「ひゃあああぅ!!!」 シエルのもどかしい腰振りに、痺れを切らしたアルベールは、シエルの腰を掴んでズンっと強く腰を打ち付けた。 今の衝撃で達してしまったのか、シエルは喉をそらして、ピクピクと震えながら停止した。

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