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第201話

エルヴィドに過去を打ち明けてから二週間。 カルバンへの出陣準備は着々と進み、アルベールは書斎に籠る時間が増えた。 「アルベール様、少し休憩なされますか?」 「あぁ、そうする」 今回の敵はバルトの憎き相手であり、バルトを中心に動かすと、感情に左右されて作戦が狂いやすいだろうと、アルベール自らが戦略を立てていた。 自分の右腕とも言えようバルトのために、綿密な計画を立て、かれこれ一週間は経過していた。 「バルト、そろそろ出来上がる。少し耳を貸せ」 アルベールは地図や隊形、計画、配置などを書き起こした図面をバルトに見せながら説明した。 いつもの力任せで制圧するような戦略ではなく、じわじわと苦しめるような、長い戦争が予期される内容だった。 「……素晴らしいです。しかし、これでは相当な時間がかかってしまうのでは……」 「時間は気にするな。一瞬で殺すよりも、じわじわ苦しめて殺すんだ。殺したいほど憎い相手が許しを乞いながら死ぬ姿は、堪らなく気分を高揚させる。そう思わないか?」 「アルベール様、本当によろしいのですか?」 「おまえには随分世話になってるからな。 とにかく冷静でいることを忘れるな。おまえの行動一つで、作戦全てが狂うぞ」 「心に留めておきます」 カルバンへの出陣まで残り五日。 積年の怨みを晴らすため、バルトは一人になるべく初めて執事の仕事に休暇を取った

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