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第214話
「何だこれ?!あいつにされたのか?!」
「そうだけど、でもっ……!」
「外してあげるからちょっと待ってて」
エルヴィドが脱衣所を出て行こうとしたが、シエルはエルヴィドの手を引っ張り、首を横に振った。
「これはアル様以外で気持ちよくならないようにするためだって……。だから僕、これ外したくないっ…!」
シエルは恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めて、そう言った。
鈍い光を放つ貞操帯は、見ているだけで気分が重く、エルヴィドはシエルを自由にしてやりたい衝動に駆られた。
けれど、当の本人がこれなのだから、どうしようもない。
エルヴィドは出来るだけ目に入れずに、他の部位を温かいタオルで、しっかりと拭いてやった。
「んっ……」
「ごめん!変なところに当たった?」
「乳首に当たった…から……。ごめんなさい…」
「感じちゃった?」
悩ましげな表情をするシエルとは対照に、エルヴィドはくすくすと笑って、もう一度触れようとしたが、シエルが射精出来ないことを思い出して手を止めた。
「ねぇ、やっぱりこれ外そう?あんまりだよ、射精管理なんて」
「嫌!取らないもん!アル様以外で気持ちよくなっちゃう僕が悪い子だから…!だから、アル様のこと怒っちゃダメだよ?」
「あぁ、うん……」
「ほんとにダメだからね!」
「わかった。約束するよ」
アルベールにどう言おうかと悩んでいたが、シエルの必死さに、つい約束してしまうエルヴィドであった。
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