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第223話

ペリグレット軍が点呼を済ませ、各班のリーダー兵がバルトに人数の報告をした。 「軽く30は戦死か」 「はい。しかし、この規模の要塞を落とすことを考えれば、かなり少ない人数で済んだかと」 「あぁ。とにかく移動するぞ。もう少し先に進んだ森で、今日は休みを取る」 アルベール含め、ペリグレット軍全兵が戦死した仲間に追悼し、カルバンへ向けて歩みを進めた。 森へ着くと、皆それぞれにテントを張り、何人かは見張りを交代しながら休息を取った。 「アルベール様、お休みになられないのですか?」 大きな木の上に座り、空を見上げているアルベールを見つけたバルトは、静かに声をかけた。 「綺麗な月だ。もう少しここにいる」 「左様でございますか。しかし、アルベール様が空を見るなんて珍しいですね」 バルトの言葉に、アルベールは少し困ったように笑いながら、胸ポケットから一枚の紙を取り出した。 「あいつは夜空を見るのが好きなんだと。今日くらい綺麗なら、俺も見ておこうかと思っただけだ」 「ふふ。シエル様もこの美しい空を見ているといいですね」 バルトは見張りの兵にアルベールの所在を報告し、邪魔はするなと釘を刺して眠りについた。

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