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第236話

一方、ティエンヌ王宮。 ミリィが訪れ、シエルを襲ったその直ぐ後のこと。 「シエル?!」 エルヴィドが仕事を終えて、シエルの部屋を訪れると、赤く染まるベッドの上で、半裸のシエルは静かに涙を流していた。 あれだけ外さないと豪語していた貞操帯も外され、性器は湿っている。 エルヴィドは腿に深く刺さる短刀を見て、誰が犯人なのか直ぐに見当がついた。 城に控えている医師を呼び、応急処置をするよう要請し、シエルの縛られていた腕を解放した。 「どうしよう……、嫌だ、………ひぐっ」 「シエル!どうしたの?」 腕を解放した瞬間、シエルは自身の性器を乱暴に擦り始めた。 エルヴィドはすぐにシエルの腕を掴んで止めるが、シエルはイヤイヤと頭を横に振り、挙げ句の果てには暴れだしそうになった。 まだ短刀は抜けておらず、暴れると危険だ。 エルヴィドは仕方なく、掴んだ腕を離した。 シエルは再び性器に手を伸ばし、力の限り擦っていた。 「エルヴィド様、応急処置は終わりましたが、また後で医務室に来てくださいね」 「あぁ。ありがとう。それと蒸しタオル持って来てくれないかな?できるだけ多めに」 医師はお辞儀をして部屋を去った。

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