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第243話

カルバンの城の上には、ペリグレットの旗が立てられた。 「これよりこの国は、 ペリグレットの支配下となる!!」 その号令とともに、国中のペリグレット側の兵士たちの歓声と拍手が辺りを包んだ。 あの後、姉の後を追いかけ飛び降りようとしたバルトを止め、カルバンの所有する医療施設で手術を施工している。 レベッカは見るも無惨な姿で原型は留めておらず、火葬してから遺骨だけペリグレットに持って帰れるよう、骨壷に入れた。 「バルトの手術が終わり次第、ペリグレットへ帰還する。新しい国の再建を言い渡した者以外は、各自準備をしておけ」 アルベールがそう言い渡すと、周りはぞろぞろと国へ戻る準備を始めた。 ここからペリグレットまでは、最短でも約二週間はかかるだろう。 食糧や武器を補充する者や、衣服の調達をする者、また、カルバンに住む女を連れて帰る者もいた。 「アルベール様、現在バルト様の容態は安定しております。しかし、脳に出血があり、左半身が麻痺しています。軽い出血ですし、今から少しずつリハビリをしていけば、回復は十分に望めます」 準備が終わった頃、バルトの手術が終わり、医師にそう伝えられた。 アルベールは簡単に返事をし、国を落としたその夜、カルバンを発ち、ペリグレットへと向かった。

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