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第252話
朝食を終え、シエルはベッドへ戻った。
「今までどうしてたっけ…」
エルヴィドに世話してもらうまで、自分がここでどうしていたかを思い出そうと考える。
けれど、ここにいたときは基本的に、ずっと拘束されていたか、抱かれていたかだった気もするなと、途中で考えることをやめた。
本当はアルベールの所へ行って、隣にいるだけでもいいから、ずっと一緒にいたい。
長い間寂しい思いをしていたし、戦争に勝利し、生きて帰ってきてくれただけで、本当に涙が出るほど嬉しかった。
だけど、昨日は再会に感動している暇もなく、夜まで喘いでいただけだった気がする。
「ギュって………してほしいなぁ」
体を重ねることももちろん嬉しいのだが、シエルはまだ精神的に未熟であり、優しく包まれる感覚の方が好きだ。
好きな人に優しくされたいのが本音だが、性奴隷という立場上、抱かれることが仕事だと諦めた。
「早く夜にならないかなぁ…」
アルベールに会いたいあまり、シエルはそう呟いて、そっと目を閉じて眠りについた。
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