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第253話

シエルとの性行の後、アルベールはシエルの身の回りの世話をバルトに任せ、書斎にこもって、カルバンの領土や国民、資金などの後処理を行なっていた。 シエルと体を交え、気持ち的にもスッキリはしたのだが、やはり事後はどうも気怠く、仮眠をとったとはいえど、疲れが溜まっていた。 「アルベール様、少しお休みになられたらどうです?」 「あぁ。今日中に終わらせておきたいことがあるんだ。それより、シエルの様子は?」 「今朝はお目覚めになられて、朝ごはんも召し上がっておられました。アルベール様のお姿が見られず、少し寂しそうでしたが」 「そうか。ならいい」 昨日は多少乱暴に抱いてしまい、シエルの腿の傷が開いてしまったりと、少し気がかりだった。 「その仕事が終わったら、本日はゆっくりお休みになってくださいね。帰国中も馬車でしたし、帰ってからもきちんと睡眠をとられていらっしゃらないでしょう?」 「そうだな。今夜は寝る」 「そうして頂けると、私も安心します」 馬車馬のように働き続ける主人に心配していたが、ちゃんと言質を取ったバルトは、ほっと息を吐いた。 「しばらく集中したいから、夜まで一人にしてくれ。食事は夜まではいらない」 「かしこまりました」 バルトが部屋から出たことを確認し、アルベールはまた資料を読み返したり、元カルバン領地へ残る兵への指示書を書いたりと、忙しく手を進めた。

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