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第255話
三十分後、ぴったりにバルトが迎えに来たため、シエルは着替えを持って大浴場へ向かった。
「バルトさん、ごめんね…」
「何がですか?」
「いや…、なんかいろいろと…」
城内の移動なのに、わざわざ迎えに来てくれるのは、おそらく自分が周りからいいように思われていないからだと、シエルは感じていた。
服を脱いだ後、バルトに腿の包帯部分に防水のシートを貼ってもらい、シエルはお礼を言って大浴場へ入った。
体を洗ってから、大きな湯船に浸かる。
温かいお湯に浸かって、気持ち良さに目を閉じていると、浴室の扉がカラカラと開かれた。
「………誰っ?!」
シエルは怯え、後退りながら扉の方を見ると、中へ入って来たのはアルベールだった。
アルベールはシエルに一度目をやり、何もなかったかのようにシャワーの前へ立って、全身を洗っていた。
シエルは初めて見たアルベールの体躯に目が離せず、ぼぅっと魅入っていた。
長い手足、程よく焼けた傷一つない肌、均等についた筋肉と、引き締まった臀部、何よりも体のラインがとても男らしく、完璧だと言わざるを得なかった。
「何見てんだ」
シャワーを終えたアルベールは前髪をかき上げ、シエルの方へ歩いてきた。
何も隠さないために、シエルの視界にははっきりとアルベールの雄の象徴が映り、何故だか無性に恥ずかしくなって、シエルは体ごとアルベールの方から向きをそらして、口までお湯に浸かった。
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