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第263話
「きゃー!アルベール!!!来てくれたの?!どうして?何しに?ほら、早く上がって!」
「………ちっ」
城へ入るなり、アルベールの入城を知らされたミリィが駆けつけ、アルベールの右腕に体を寄せた。
城の中はメルメンチックに装飾されており、ピンクの壁紙に赤い絨毯で覆われた床、おまけに、白くてふわふわとした家具ばかりで、アルベールは頭を抱えて項垂れる。
「何度来ても気分が悪いな…」
「大丈夫。私がアルベールと結婚するときは、私がそっちに行くし、アルベールの趣味に合わせるわよ」
語尾にハートが付きそうなくらい甘ったるい声で、ミリィは早く早くと、私室へアルベールを誘った。
ミリィの私室は城内とは打って変わって、黒とピンク、緑を基調としたシックな印象だ。
髪色と同じ、不思議な世界に入ってしまったような…、そんな部屋。
「今日は突然どうしたの?」
ミリィは羽織っていたカーディガンを脱ぎ、下着の透けたネグリジェ姿でベッドに腰掛けた。
「そういうつもりで来たんじゃない。服を着ろ」
「やだぁ!なんでそんなこと言うの?気持ちいいコトしよーよ?」
ミリィは椅子に座るアルベールの腿に跨り、首に手を回して、上目遣いにそう言った。
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