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第264話
ミリィは豊満な胸をアルベールに押し付けながら、とろんとした目で誘惑した。
「退け」
「やーだっ」
アルベールが面倒臭がって動かないのをいいことに、ミリィはアルベールの唇や首筋にキスをした。
さすがに鬱陶しくなり、アルベールは力尽くでミリィを押し退けて席を立った。
「俺がなんでここに来たか、分かってるんだろう?」
「ん〜、性欲発散させにきた?とか?」
「とぼけるな」
「もぉ〜」
アルベールの目つきが鋭くなったことから、彼が怒っているということは明白で、ミリィは拗ねたように口を尖らせ、ベッドに足を組んで座った。
「あのチビのこと?」
「あぁ。俺のものだとわかってるだろ」
「だぁって、腹が立つんだもん。純粋ぶっちゃってさ!どーせクライトマンにもヤらせてるんでしょ?なのに、自分はアルベール一筋みたいな言い方して──」
ミリィが饒舌にシエルの文句を言っていると、ミリィの頬をスッと小刀が掠めた。
「俺はお前の言い訳を聞きにきたんじゃない。事実を確認しにきたんだよ」
「や……、やぁね。アルベールったら、冗談キツイ……」
ミリィは冷や汗をかき、頬から垂れる血を拭った。
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