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第265話
ミリィはふぅ、と息を吐いて白状した。
「腹が立ったから虐めた。抵抗するから腿を刺した。純情なフリするから、犯してやった。それだけよ?私はちゃんとあの子が望むように、アルベールの軍に手を貸したし、ちゃんと条件は成立してるの。文句ある?」
開き直ったミリィは、なんだかつまらなさそうな顔でアルベールに聞いた。
アルベールは表情を変えず、ミリィに問う。
「犯した感想は?」
「ちっさすぎて物足りないわよ。あいつ、男としてダメね。全然感じてなかったし」
「へぇ」
「思い出したらイライラしてきちゃった!ねぇ、一回くらいいいじゃない?」
アルベールを誘惑するように、またミリィはアルベールに抱きついた。
すると、アルベールもミリィの背に腕を回してきて、ミリィはこのままセックスに持ち込めると笑みをこぼした。
バサ────
「え?」
「俺のものに手を出した罰だ。じゃあな」
そう言って、アルベールは城を去った。
呆然とするミリィの足元には、ずっと大切に伸ばしてきた、艶やかで美しい大量の髪の束。
「きゃあああああああ!!!!!!!」
アルベールは無情にも、ミリィの命の次に大切な髪の毛を切り落としたのだった。
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