信之助と藤四郎の会話文 「信之助さん。ここでひとつ、あなたの自己紹介お願いします」 「なんで？」 「たぶん、これから先組長あなたのことポチとしか呼ばない可能性が」 「うそーん」 「ということで、簡潔に。飽きないぐらいの短さで、どうぞ」 「えー。まぁ、名前は田中信之助です。年齢はしわしわの？いや、もさもさの３５歳。高校卒業してから働いていた会社を、この前クビになりました。こう見えて、家事全般得意です。でも、ミシンがちょっと苦手。お裁縫は好きだけど、」 「それは意外ですね。細かい作業とか、もうダメ！みたいな感じで投げ出しそうなイメージでした」 「俺こう見えて、細かい作業大好きなの。あとね、電卓を高速で出来る。経理の仕事もしてたからさ」 「そうなんですか」 「あとね、最近カルピスが好き。美味しいよね、あれ。クッキーと相性がいいんだカルピスは」 「クッキー好きなんですか？」 「好き。特に、チョコチップクッキーは最高だね。あー、食べたくなった。作ろう」 「作るんですか？」 「そう。だからさ、材料買ってきてください。メモ渡すんで」 「………………あ、組長が俺を呼ぶ声がする。ということで失礼します」 「あ、逃げた」