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その42会合に参加しましょう

準備を終えて、秋島組一行が向かったのはとある建物。そこは臨賀会の会合が行われる際だけに使われる。 「でっかいな」 「はい。臨賀会傘下は、意外と多いですから。そこに全員入れるとなると、建物も大きくないと」 「組員皆参加すんの?」 「少ない組はそうみたいです、俺ら見たな。でも多い組は、一部の組員しか来ないですね」 「ほぉ」 大理石で出来た廊下を歩きながら、信之助はキョロキョロと建物の中を見回した。中には、よく分からない絵だとか壺だとかいろいろ飾ってあったり置いてあったりした。そんなのを見ていたら、これいくらぐらいするんだろうと思ってしまう。 「でもさ、本当に俺が会合に参加していいのかな」 「いいんですよ。誠太郎さんもそう言ってきたんでしょう。だったらいいんです」 佐久良はそう言ってくれたが、それでも不安だった。何せ、ヤクザが集まる会合なのだ。絶対に怖い。誠太郎が怖くないのは信之助も理解しているが、他の組はそうとは限らない。 絶対怖い。それに、自分みたいなおっさんがいたら秋島組がバカにされるかもしれない。信之助は、それが不安だった。 もし、自分のせいで皆がバカにされたら。佐久良がバカにされたらと思うと、ちょっとだけ悔しく思えた。 そして、そうこうしている内に、会合の会場である部屋に着いた。ドアを開けたら、そこには見知らぬ人がいっぱいいた。ほとんどが怖い人ばかりで(顔が)、入ってきた佐久良達をギロリと睨んだ。 「よう。新参者は遅いお入りで」 「それは失礼しました。時間が変更になったと、猪原さんから聞いたものですから」 佐久良がギロリと、ある1人の男を睨んだ。その人は猪原というらしく、佐久良に睨まれて体を縮こまらせていた。 でも信之助は、そんな佐久良の姿にキュンとしていた。こいつ、こんなヤクザらしいこと出来るんだと。かっこいいじゃんかと。 「まぁ、話はその辺で。佐久良、座りなさい。猪原は、あとで個人的に話があるから残れ」 さっきまで黙っていた誠太郎が口を開いた。佐久良は誠太郎の言葉におとなしく従って座り、猪原はさらに体を縮こまらせる。 いつも優しい誠太郎が、あんな風に怒るなんて。信之助が少しびびっていたら、いつもの笑顔で誠太郎が笑ってくれたのでホッとした。 「じゃあ俺、佐久良の後ろに立っとくな」 「何を言っているんですか?ポチ。ポチは、俺の膝の上に座るんです」 こんな場所で冗談だろと思ったが、冗談ではないらしく。佐久良の膝の上に座らされて、信之助にその場にいた全員の視線が集まった。 帰りたい、恥ずかしい。そんな気持ちから、信之助は佐久良の首筋に顔を埋めた。 「じゃあ、全員揃ったことだし。そろそろ会合を始めようか」 誠太郎は、佐久良達を見なかったことにして会合を始めた。

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