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その57無理に仕事を休みましょう

「甘ちゃん坊や。佐久良は今日も朝早くから仕事?」 「その前に、俺のことを甘ちゃん坊やと呼ぶのいい加減やめてもらっていいですかね」 「もう、そんなにやめてほしいの?」 「早急にやめてほしいです。晴までそう呼ぶようになったんですから」 晴が藤四郎のことを「甘ちゃん坊や」と呼ぶのを想像して信之助は笑った。そんな信之助を藤四郎は睨んでみるが、おっさんに睨みなんて効かなかった。 「ところで藤四郎くん。俺の質問聞いてた?」 「………まぁ呼ぶのやめてくれたんで。今日も朝から仕事です。どうも、猪原組長の件を早く片付けたいそうで。俺達も手伝ってるんですけど、あの人1人でやろうとしてなかなか上手くいってないんですよ」 藤四郎が、少し心配そうな顔をして遠くを見た。確かにここ最近、佐久良は朝早くから仕事を始めて日を跨いで帰ってくるのが日課になっていた。 いくら周りが休めと言っても聞く気配がない。 だから、藤四郎達がちょくちょく手伝っているみたいだがそれをなかなか受け入れようとしないのだ。 藤四郎が心配になるのも無理はない。信之助だって、最近佐久良の姿を見ていないから心配なのだ。 だから、次の日。佐久良よりも早く起きて、仕事をしようとする佐久良を引き留めた。 「ポチ?」 「佐久良。今日はお前、仕事休みな。猪原組長のこと早くどうにかしないといけないのは分かるけど、ちっと休め」 「そんな時間ありませんよ。ほら、ポチ。離してください」 引き留めるために握った手を話すように佐久良は促してきたが、信之助は首を横に振った。 「離しません」 「ポチ」 「あのさ、佐久良。お願いだから、少しは休んでよ。その目の下の隈、どうにかして」 「ぽち、」 「藤四郎達が手伝ってくれてるんだろ?それを、ありがたく受け取ってくれよ。それに、猪原組長助けてお前が倒れるとか、、俺嫌だからな」 そう言って、信之助が軽く佐久良の額にデコピンをした。それに佐久良は愛情を感じたらしい。少し笑うと、「じゃあ、今日だけはゆっくり過ごすとします」と言った。 「よし。じゃあ、藤四郎にそう連絡いれとけよ」 「はい。ポチも、俺に付き合ってくれますよね」 「おぉ」 「膝枕に、耳掻きのふーふー。楽しみにしています」 他にもいろいろとしてほしいことをブツブツ呟く佐久良の姿を見て、仕事やり過ぎて頭がおかしくなったと信之助は思った。

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