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その69決意しましょう
「んまっ!このお茶も、和菓子もめっちゃ美味しいですよ!ほら、誠太郎さんは和菓子を食べて、晴くんはお茶を飲んでみ。上手いから」
「そんなにかい?じゃあ、早くいただこうかな」
「じゃあ俺もいただきます」
3人でのお茶会は、それはもう楽しかった。3人でわいわい話したり、時々残ってる秋島組の組員を交えたりもした。とにかく楽しく過ごしたのだ。これを気に、信之助が2人にしか出来ない相談も。男を受け入れる方法とかいろいろ。
誠太郎は、佐久良がまだ信之助を喰べていないことに驚いたが、快く教えてくれた。晴も同じである。
「………分かりました。俺、頑張ってみますわ」
「うん、頑張れ。信之助くんならきっとできるよ」
「俺も応援してます」
まだまだ一緒に過ごしたかったが、このあと用事があるからと晴は帰っていった。そして誠太郎と信之助だけが残った。
「誠太郎さんはまだ帰らないんですか?」
「うん。ちょっと、信之助くんに聞きたいことがあってね」
誠太郎の瞳が、スッと細くなる。雰囲気で真剣な話だと信之助は読み取り、自然と背筋を伸ばす。そしてジッと誠太郎を見つめれば、少しだけ笑われた。
「佐久良から少し聞いた。佐久良の兄、津葉樹とあったそうだね」
「はい。会いました」
「だったら、佐久良が秋島組を作った理由が何となく想像出来たかな。あんまり、口のいい奴じゃなかっただろう。津葉樹は、父親に似た考えの持ち主だからな」
「そうなんですか。どういった考えを持ってるとか知らないですけど、クソ野郎とだけは分かりました」
信之助が津葉樹のことをクソ野郎と言った。誠太郎も、同じ想いであった。昔から顔馴染みである誠太郎だからこそ、佐久良がどれだけ苦しんできたかどうか知っている。
だから、そうだよねと信之助に誠太郎が相づちを打とうとした時だ。信之助が口を開いた。
「あの、クソ野郎と会って今の今までずっと考えてたことがあるんですけど。俺、今決めました」
「決めたって、何をだい」
誠太郎が言葉の意味を聞こうと信之助の方を見た。その時の信之助の顔は真剣そのものだった。
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