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閑話
【もしも、信之助の乳から母乳ならぬ父乳が出るようになったら】
※男は「母」ではないので、父乳にしてみました。
「藤四郎くん。あのね、俺の父から父乳が出始めたんだけど」
「…………父乳とはなんですか?」
「女の人のおっぱいから出るやつは母乳。俺は男だから父乳。おっけ?」
信之助からの相談に、藤四郎は固まった。何せ、信之助の父から母乳ならぬ父乳が出るという相談を受けたのだから。
何故俺に!?と藤四郎は思う。そんな下的な相談は、恋人?である佐久良にすればいいものを。
しかし、信之助が佐久良にそんな相談を持ちかけたらもう大変なことになるのも分かる。きっと佐久良は暴走する。それこそ、周りの誰も止められないほどに。
「えっと、その、ぼにゅ………いや、父乳とやらは、どんな感じで出るんですか?」
「えーっと。乳首が張ってる感じがして、こうこねたらピュッと」
信之助が上に着ているTシャツを脱いだと思ったら、自分の乳首を触って実演してくれた。確かに信之助の乳首は張ってるし、捏ねたら白い液体がピュッと出てきた。
ピュッと出たやつを信之助が指ですくい舐めると聞いてきたが、佐久良が怖いので藤四郎は遠慮しておいた。ただでさえ、信之助の上半身裸を見るという危険な行為をしているのだ。怒られる要素を、これ以上増やしたくない。
「何か、薬塗ってみました?」
「ん。塗り薬塗ってみたんだけど、ダメでさ」
「でも、その父乳は出るだけであんまり悪影響はないんでしょう?」
「捏ねなくても出るから、服が濡れてやなんだよな」
「じゃあ、絆創膏でも貼ったらどうですか?」
ちょうど手元にあった絆創膏を信之助に渡す。しかし信之助は、その絆創膏を受け取らず突き返してきた。
「いや、濡れるのが嫌なんでしょう。貼ってた方がいいですって」
「うん、だから藤四郎が貼って!」
信之助はそう言うと、ズイッと乳首を藤四郎の方に突き出した。
「と言う夢を見ました」
「だからって、朝から襲おうとするなよ佐久良この野郎!!!!」
「藤四郎に乳首を突き出すポチがいけないんです」
「夢でだろうが!?あと、その釘バットは何」
「これですか?これで、藤四郎をぶん殴ってこようかと思いまして」
「ただのお前が見た夢!藤四郎悪くない!!」
「いいえ。藤四郎は悪いです」
「っ、藤四郎逃げて――――――!!」
END
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