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現の夢9
触れた唇からしっとりした番人の唇の柔らかさを感じたそのとき、舌がにゅっと差し込まれた。
自分に快感を与えようとする動きに合わせて、ねっとりと絡ませてみる。すると番人の中にある敦士のモノをうまい具合に締めつけてきたため、ぞくぞくするような気持ちよさを直に感じた。
そのお蔭で萎えていたモノがみるみるうちに張りつめていき、イキたくてたまらなくなる。
自身が感じている間に早くイかなくてはと考え、唇を外して激しく腰を動かした。肌と肌がぶつかる音と擦り合わされる部分からの水音が、だだっ広い空間でやけに響いて耳に聞こえた。
「ん、ふ、あぁ……も、い、イくぅっ!」
興奮する材料が揃えられる中で、気持ちよさに顔を歪ませた敦士が思いっきり達した。人の躰ではじめてイった感覚は、自分のすべてが蕩けてしまいそうな気分だった。
快感に身を震わせながら組み敷いている番人を見ると、躰全体がボワッと青白く光輝いていた。それは眩い光ではなく、とても淡くて儚い光だった。
「番人さま?」
「あ……っは…ぁ、んっ」
敦士がイったあとだというのに、番人は自ら腰を振り続ける。
さっきまでは目を閉じて、つらそうな表情をありありと浮かべていたのに、今は恍惚な表情を浮かべながら口を半ば開いた状態で、敦士を見つめていた。
「まだ……、まだ足りない。もっとイってくれ。んぅっ!」
「ええっ! イったばかりで、すぐには無理かと……」
「じゃあっ、どうすれば、お前は気持ちいいんだ? 教えて、くれよ」
プラチナブロンドの長い髪を乱しながら、訊ねられた言葉に導かれるように、目の前にある美麗な顔に向かって自分の顔を寄せる。
「まずはキスから。番人さまの唇は、とても気持ちがいいので」
敦士の言葉を聞き、番人は腰の動きを止めてふっと笑いかけた。
「そのあとは、どう、する?」
顔を寄せた敦士の首に両腕を絡ませるなり、小首をちょっとだけ傾げて意味ありげに瞳を細めた。
番人の発する声や、ひとつひとつの仕草がどれも色っぽく感じるせいで、胸が苦しいくらいに高鳴る。
同性相手に妙な気持ちになっていることは、敦士としては異質な感覚だったが、夢の中でのことだからと無理やり納得させた。それよりも自分が頼りにされていることに、心をシフトチェンジさせる。
「それは、どうすれば番人さまは感じますか?」
「考えてみたら童貞のお前に、男の抱き方が分かるわけがなかったか。しょうがない、手取り足取り教えてやるよ」
番人は首に回していた左手を移動させて、敦士の頬をすりりと撫でた。触れられた手の動きがくすぐったくて、首を竦めながら躰を縮こませてやり過ごす。
「おいおい、逃げるなよ。甘え上手で初心なお前に、この俺が流されてやるんだ。もっと積極的になれ」
言いながら両足を腰に巻きつけて、中にある敦士のモノをぎゅっと締めつけて刺激してきた。彼にいろいろ教わりながら、夢の中で何度も絶頂し、誰かと触れ合う行為に心地よさを感じながら、ふっと目が覚めた。
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