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光15

「お前に、夢なんて見せるつもりはない」  言いながら一回り小さな高橋の手が、敦士の手を痛いくらいに握り返した。 「僕は夢の中でも、貴方に逢いたいのに……」  空いている高橋の反対の手が、反論した唇にそっと触れる。下唇を官能的に撫でられたせいで、ぞくっとするものを感じて躰を震わせた。 「はっ! 眠らせてやるもんか。疲れ果てるまで、俺のことを抱き続けろよ」 「なっ!?」  まぶしい光を覗き込むように瞳を細めた顔が、敦士にぐっと近づいた。唇に触れていた手が頬に添えられ、強引に俯かせられる。 「そのついでにお前の手で、俺を甘やかしてほしい。いいだろ?」  とっぷりと日が落ちたと同時に昇った月が、ひとつに重なったふたりを、ほんのりと照らした。  これからはじまる夢じゃない、現実世界の恋物語を明るく照らす光になったのだった。  おしまい 番外編に続きます☆

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