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番外編:貴方に逢えたから16

「健吾さん、貴方に逢えて良かった」 「本当に?」  窺う視線が、健吾さんの中にある不安を示していた。それをいち早く何とかしたくて、返事をしてあげる。 「本当です。夢の中で僕に逢ったのは偶然かもしれませんが、現実(リアル)でこうして探し出してくれるなんて、大変なことだと思うんです。健吾さんを、そこまで突き動かしたものって――」  自分の中にあった疑問を口にしたら、不安げな表情が和らぎ、安堵に満ちた顔に変化した。 「本来ならば夢の番人を辞めた時点で、敦士だけじゃなく俺の記憶もなくなることを、創造主から聞いた。それなのにお前を忘れることなく、現実世界の中から探せたのは、夢の中でしっかり愛し合ったお蔭だと思う」 「夢の中でしっかり愛し合ったから、記憶がなくても、僕の躰は貴方を覚えていたんですね」  健吾さんの言葉を使って覚えていることを告げると、触れるだけの口づけが唇に落とされた。柔らかいだけじゃなく、しっとりした皮膚を唇の上に感じただけで、あっという間に下半身が形を変える。 「真っ直ぐな想いで敦士が俺を愛してくれたから、絶対に忘れることがなかったんだ。これからもこんな俺を、愛してくれるだろうか?」  ちょっとだけ傾げられた首の動きで、健吾さんが被っているプラチナブロンドが頬にそっと触れた。  くすぐったいそれを退けたいのに、両手首を拘束されているのでそれができず、うずうずするしかない。 「敦士、愛してくれないのか?」 「健吾さんを愛したいので、これを外してほしいんですけど」 「外さない。俺は、こういうプレイをするのが好きなんだ。覚えておいてくれ」 「ぷっ、プレイ!?」  驚く僕を尻目に、意味深に片側の口角を歪めた健吾さんが、上半身を起こしながら少しだけ後方に移動し、僕自身を手にした。 「今まで隠していた俺の趣味を暴露することが、ご褒美のひとつで――」  健吾さんは握りしめた僕自身を後孔にあてがい、腰をぐいっと下ろす。吸い込まれるように挿入される気持ちよさで、呼吸が勝手に乱れてしまった。 「ああぁっ、いきな、りっ!」 「もうひとつは、俺自らこうして奉仕してやるのがご褒美だ。時間をかけて、自分で解した甲斐があった。こんなに感じてくれるなんて、すごく嬉しい」  このまま一気に奥まで飲み込まれると思った矢先に、ふっと途中で止めて、自身の先端ギリギリまで腰を上げた動きは、あまりに急だった。下半身に、ぞくっとするものを感じずにはいられない。

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