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番外編:貴方に逢えたから19
「お前、何を言ってるんだ?」
「やっ! えっとそのぅ……。健吾さんがその姿でいるのをはじめて見てるのに、はじめてじゃない気がしたんです。それなのになぜだか、わけの分からないことを言っちゃいました」
(下から健吾さんを突き上げた姿勢のまま、しどろもどろに答える僕の姿は、傍から見たら滑稽だろうな)
「それだけ夢の番人だった俺の恰好が、お前の中で印象に残っているんだろう。記憶がないはずだというのに」
言いながら体重をかけて、ベッドに僕の腰を押しつけた。ぐぐっと最奥に挿入される快感に、全身が蕩けそうになる。
「健吾さんの中、いつもよりすごく絞めつけて気持ちいいです」
「それはお前のが、いつもより大きいからだろ。この姿に興奮しているのか、それとも――」
「それとも?」
疑問を口にした、僕の耳元まで顔を寄せる健吾さん。その動きと連動して中がぎゅんぎゅん締まり、あまりの気持ちよさに小さなうめき声をあげた。
「こんなちょっとしたことで、そんなに感じるなんて、夢の番人と浮気してる気分なのか?」
健吾さんがくすくす笑うと、耳にふわっと息がかかって、くすぐったかった。顔を背けるだけじゃなく躰をよじって、それを退けようと試みる。
「こらっ! 動いて俺を感じさせようとするな」
「違いますよ。耳に健吾さんの息がかかって、くすぐったいせいで逃げただけで」
「いいわけはなしだ。まったく!」
不敵な笑みを唇に浮かべた健吾さんは、プラチナブロンドを乱す勢いで腰を上下させた。ぬちゃぬちゃという卑猥な音が部屋の中に響いて、さらに感じてしまう材料になる。
「健吾さ……っ、そんなにしちゃ、うっ! イキそうっ」
躰を震わせながら訴えたら、動きを弱めて僕の上に腰を下ろした。
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