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番外編:貴方に逢えたから22
「保身のためなら、なりふり構わないところは相変わらずだよな」
健吾さんがクスクス笑うと中が締まって、感じずにはいられない。肩を竦めて快感をやり過ごすと、頬にそっと手が添えられた。
触れられた頬の上から、健吾さんのあたたかい体温をじわりと感じた。しっかり瞳を開けて目の前を見つめる僕の視線を受けて、優しげなまなざしが絡み合うように注がれる。
添えられている手のひらが少しだけ動き、健吾さんの人差し指が耳の穴にすりりと触れた。それだけで、どうにかなってしまいそうだった。
「んっ……」
「いろんな意味でお前よりも腐りきっていた俺を、疑うことなく好きになってくれたのが嬉しかった」
「健吾さん?」
「お前の優しさは俺にとって居心地の良いもので、なによりも大切なものになった。これからも俺に、与えてくれるだろうか?」
迷うことなく、イエスと答えようとした矢先に塞がれる唇は、さっきよりも熱い。僕が感じていることが分かっているのか、さらに煽るように角度を変えて、細かいキスを繰り出す。
慌てて健吾さんの肩を掴み、強引に押し倒して難を逃れた。
「ぉ、おい!」
闇色のシーツの上にプラチナブロンドが扇状に広がり、窓から差し込む月明かりでキラキラと輝いた。
「優しさだけじゃなくて、僕の想いも受け止めてください」
「受け止めるさ。すべて受け止めて、俺のものにする」
左右の膝裏を持ち上げて角度をつけるなり、何度も自身を激しく出し挿れして健吾さんを感じさせる。最近になって彼が感じる部分が分かったので、ここぞとばかりにそこを狙って擦りつけた。
「ん…っも…そこばかりっ、突っつくなっ……うっ、くぅっ」
喘ぎながら躰をヒクつかせる健吾さんの言葉を無視して、抵抗できないようにすべく、両膝をぎゅっと抱きしめた。
「やめません。健吾さんが感じると、僕も気持ちがいいんです。僕をイカせる寸前まで追い込む貴方を、たくさん責めてあげますよ」
「ハハッ、お前の本気は怖いな。んっ…それこそ抱きつぶされそうだ。ぁあっ!」
はじめて健吾さんに自分のすべてをぶつけた夜は、互いがクタクタになるまで行為が続行された。
眠ったのは明け方近くになってしまったけれど、躰の疲れよりも心が満たされていたお蔭で、幸せを感じながら爆睡することができた。
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