目尻に滲んだ涙の跡を、舌がぬぐう。 「ヤァうン」 生理的な涙が零れてしまう。快楽でドロドロに溶けそうだ。 「そろそろいいかな」 シャツの下に滑り込んだ手が、胸の小さな実を弾いた。 同時に、蕾を掻き回していた三本の指が、グチュっと引き抜かれる。 もっと欲しくて、腰が揺れてしまった刹那。 足首を持ち上げられて、これでもかってくらい開脚させられた。 羞恥の余り、股間の膨らんだ雄しべを隠そうとしたけれど。 ………見せろよ。 耳のひだを舌が這う。 「恥ずかしい姿も俺のものだ……独り占めしたい」 おずおずと手をどけると、よくできましたとばかり。 「フワっ」 陰毛を引っ張られた。触ってくれると思ったのに。涙目で睨むと。 「じゃ、これでいいか？」 「アゥワアぁ」 張り詰めた昂りを咥えられて、一気に絶頂する。 「イっ、イクぅっ……ヤだ……いっしょがいいィ」 「可愛い」 お汁が漏れる寸前で、口を離した直後。 後孔に剛直があてがわれた。 俺のとは比べ物にならない、固く猛々しい雄の熱が、大事な蕾を押し広げていく。 「すげっ。中、動いてる。もってかれそうだ」 肉の擦れる音。 卑猥な水音。 汗が飛び、速さを増す息遣いが響く。 白濁を放つ寸前。 俺たちは、互いの手を重ねて。手と手を固く握った。 「シン」 俺の名前、呼んでくれた。 呼び返したいのに、口をついて出るのは乱れた息ばかりで上手く紡げない。 吐息が耳朶に口づけた。 愛してる 夜が終わり、夜は巡って、俺に届いた手紙には、出撃の日が記されていた。