14 / 145
第15話
「うん、納得させるまで長かったケド、今日、話しにいって終撮の許可もらったから…」
『…よかった』
ほっと安堵するみずき…
「あと、今日も帰りは朝方になるから…」
『…そうか』
アキラの言葉に一気にテンションが下がる。
「ダイジョウブ、隣に誰もいないからさ、ちょっとカラダだるくて、一寝入りしてから帰るよ…」
そう簡単に説明する。
『…アキラ、大丈夫か?』
身体を心配して優しく言葉をかける。
「オレは大丈夫だって、みずきこそ早く寝ろよ、仕事だろ?明日」
アキラは相変わらずのマイペースで話す。
『あぁ、でも、アキラの様子が気になったから…』
「……うーん、ケイタイあげたの間違いだったかな…返事待ってて眠れないんじゃ、ダメじゃん、返却させようか?」
少し考えてみずきにいうアキラ。
『いや、携帯電話がないと余計心配で眠れない…こうして携帯電話でアキラと話すことで前より安心できているから、ないと困るよ』
アキラの意地悪な言葉にも優しく答えるみずき。
「はは、わかったわかった。オレは大丈夫だから早く寝ろよ、みずき」
アキラは軽く頷いていう。
『あぁ、いつ頃帰る?』
みずきは優しい声で聞く…
「んー、朝5時くらいかな、その時間なら皆寝てるから…」
首をかしげながらアキラは答える。
『判った。気をつけて帰ってこいよ』
みずきは優しく言葉をかける。
「オッケー、じゃ…おやすみ」
『おやすみ…』
みずきの言葉を聞いて、静かに通話を切るアキラ。
携帯電話を枕元に置いて…浅い眠りに入る。
終撮の日は…来年、1月の半ばだ…
その日に来れば、もう二度とBOUSに来ることはなくなる。
アキラはフッと思う。
小3からBOUSには世話になった…
ここ数年は辞めたくてしかたなかったけれど…
実際に決まると、淋しいような気持ちも感じる。
でも、こんな仕事は関わりを持たないほうがいい…だから終撮が済んだら一切、接点を持たないようにしないと…
アキラは思いながら軽く仮眠をとることにする。
そうして、3時間ほど仮眠してアキラはBOUSを出てみずきの待つ家に帰っていく…。
終撮…
途中辞めというリスクの中…
そしてトップの思惑も知らずに…。
《BOUSへ…》終
ともだちにシェアしよう!