16 / 145

第17話

いつものように、みずきを仕事に送り出して数時間… アキラは、12月最後の一日をのんびり過ごしていた。 ふと、アキラの携帯電話が鳴り始める… 「あ、ルードだ…もしもし?」 画面の表示をみて呟いて電話に出る。 『アキラ、元気にしてる?』 一週間ぶりにくらいに聞く元気のいいルードの声。 「うん、どうした?ルード」 少し声を弾ませて聞くアキラ、やっぱりルードからの電話は嬉しいから… 『今日明日、バイト休みだから遊びにいってもいい?ご飯作るからさ』 ルードは明るく、聞いてくる。 「んー、今みずき仕事でいないんだ、たぶんいいと思うけど、もうすぐ昼休憩の時間だから聞いてみる、Telするから待ってて…」 アキラは以前みずきが言っていた言葉を思い出し、即答はせずルードにそう伝える。 『おっけー、ふっ…アキラってすっかりみずきのものになってるな…』 ルードが微かに笑いながらいうと… アキラは、取り繕うように慌てて… 「バカ、そんなんじゃないって!ただ…ココ、みずきん家だし…前みたいに勝手に上げちゃ悪いだろ!」 なんとなく紅くなりながら誤魔化すアキラ… 『はいはい、じゃ…電話待ってるから…』 そう言って会話を終わる2人… アキラは一息ついて、みずきに電話しようと携帯の画面に目をやったとき… 丁度みずきから電話の着信が入る。 「あ、Good timing!」 電話に出ながらアキラはそう微笑む… 『え?…なにが?』 みずきはアキラが思ったより早く電話に出たことに驚き、そしていきなり妙な事を言うので首を傾げる。 「ゴメン、ゴメン、丁度電話しようと思ってたトコだったからさ」 相変わらず悪気ない様子で謝るアキラ。 『何かあったのか?』 アキラから電話してくる時は何かしら用事がある時か、たんなる暇つぶしか、どちらかなのだけれど、前者を優先させて聞いてみるみずき… 「そう、さっき、ルードから電話がかかってきて…なんか、仕事休みだから遊びに来ていいかって、いいよな?メシ作ってくれるそうだから…」 断定的に聞くアキラに、みずきは優しく頷く… 『ルード?あぁ、いいよ。夕方くらいに来てもらって…こっちもヨシが…』 ちょっと困った調子でみずきは呟く… 「ヨシがどうしたって?」 確か明日初詣に行く足になってもらおうと言っていたけど… 『今、隣にいるんだけど…明日の事を聞いたら、今日から泊りこみで遊びに来たいと言い出して…』 「え?ヨシが?」 少し難色を示すアキラだが… 雰囲気を察したのか、電話の向こうで… 『みずき、代わって』 などといってみずきを押して電話にでるヨシ、 『よ、お前…みずきに携帯やったんだな、みずきの奴全然教えてくんねーし、さっき知ったぜ…』 いつものペースで話してくる。 「あっそ、んで…図々しく泊りに来たいって?」 皮肉んでいうアキラに…

ともだちにシェアしよう!