19 / 145
第20話
「ルード、雑誌持ってきてくれた?」
以前、自分の載っている雑誌を持ってきてくれると言っていたルード、思い出して聞いてみる。
「あぁ、一応…二冊だけ。他にも載ってるのあるけど、少ししか載ってないから…」
「ふーん、いろんな雑誌に載ってるんだ…すげーな」
アキラが少し感心するとルードは…
「全然、ほとんどワンカットくらいだよ、俺とかまだ新人だから…ひとつだけじゃ生活していけないからなー」
手元をおろそかにすることなく答えてくれる。
「ルードは、年の割にしっかりしてるからな…」
「そっか?悪いコトとかしたりヤケになったりしてたのに?」
「うん、今はしてないだろ?だから、しっかりしてる。一度ヤケになったら立ち直るのが大変だからな…」
「うーん、立ち直れたのアキラのおかげなんだけどね…」
振り向いて答えるルード。
その言葉を聞いて心があたたかくなるアキラ…
軽く首を振って…
「ううん、オレはきっかけを与えただけだから。オレは、いつもルードに幸せになってもらいたいって思ってる、社会的にもな、だからその手助けをしてるだけ、忘れるなよルード」
「うん、ありがと…」
アキラらしいなぁ…と思いながらお礼をいう。
アキラの言葉は、今でも自分が一人じゃないって、実感させてくれる。
それから、1時間ほど経ち。
ようやくみずきが帰ってくる。
「ただいま…」
いつものように帰宅すると…
『おかえりー!』
アキラとルードが、声を揃えて明るく迎える。
「おじゃましてまーす、みずき。あ、キッチン使わせてもらったから」
ルードは続けていう。
「あぁ、すまない…元気にしてたか?」
食事を作ってもらうので軽くお礼を言って聞く。
「おう!俺はメチャ元気、アキラの方が風邪ひきやすいよな、冬って…」
ルードはソファに座ってテレビゲームをしていたらしく、アキラはその隣で見ている様子…
アキラを見て聞くルード。
「そうなのか…?」
みずきもアキラに問う。
「はは、まぁね、今月あまり出歩いてないから風邪ひかなかったな…冬は月いちくらいで風邪ひくんだけど…」
アキラは、軽く笑いながら答える。
「…でも、アキラって風邪ひいてなくても熱でたりするし、しっかり、ご飯食べないから不健康なんだよな、きっと!」
ルードは深く頷きながら話す。
ともだちにシェアしよう!