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第22話

「よ、アキラ。なんか狭っ苦しくなったなぁ、部屋」 ヨシがアキラのそばに来てボソっというと… 「うるさい、みずきが狭くてもいいって言ったんだから…」 アキラが怒りながら言い返す。 「ハハ、そう怒るなって…でもマジ一緒に住んでるんだなー、しかもちゃんと指輪してるじゃん、そういうキャラだっけ?」 感心したようにヨシがいうと、アキラは首をかしげて… 「んー、オレも柄でもないなーって思うんだけど、ここ、住まわせてもらってるし…ハズしてると、みずき、なんとなく機嫌悪くなるしさ、だから家にいるときは、はめてる」 ヨシにそっと微笑んでみせるアキラ。 「それなりに気に入ってんじゃねーか、実は…」 ニッと笑ってアキラの隣に座りながら、耳打ちする。 「そんなんじゃないけど…でも、こんなの、貰えるとは思わないだろ、一緒にいる時くらいはな…」 恋人と言える人がいる時くらいは…証をつけてもいいかなって思えたから… アキラは立ち上がり、ヨシの傍から離れる。 「どこいくんだ?」 ヨシは、なにげに聞く。 「お前も手伝えって、ルードがメシ用意してくれてんだからさ」 アキラはそう言うとルードとみずきの所へさっさと行ってしまう。 「ハイハイ、なんか避けられてるよな~俺」 アキラにうまいこと逃げられて何となく面白くないヨシ。 ぼそっと呟きながらみんなの元にやってくる。 「ヨシ、いいところにっ!これとこれ、テーブルに持って行って!ありがとう」 ふと目があったルードがニコッと笑ってどんぶりを2つ手渡してくる。 「おっ、もしかして年越しそば、用意してくれてんだ!すげー」 ヨシは、どんぶりを受け取りながらルードを褒めると… 「いちおうな!そば食べれない人いないよな?」 ルードは他の2人にも聞くようにいう。 「そばアレルギーはいないだろ?な、」 すぐ答えたのはアキラ。 「あぁ…」 それに頷くみずき。 「そばアレルギーって、そば食ったら死ぬってやつ?ホントにいるのか?そんなやつ…」 ヨシがつっこむと… 「いるよバカ、最近はアレルギー体質の人多いからな…」 アキラがヨシをちらっとみていう。 「む、なんか腹立つんだよな!てめーは…。ホント、こいつのドコがいいのか、さっぱりわかんね…」 ケッとなりながら言いそばを運ぶヨシ。

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