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第25話

「みずきって、アキラも殴ったことあるのか!?」 ルードが驚いていう。 「……」 みずきは答えにくくて沈黙するが… 「相当、腹たったんだろーぜ、分かる分かる!」 妙に納得してヨシが言うと… 「マジ?アキラの顔殴ったの?俺でさえ顔は叩いたことないのに…」 突き飛ばしたことは何回かあるけど…ルードがポツリ。 みずきはルードの言葉に軽くショックをうけてしまう。 ルードもしなかったことを自分はアキラにしてしまったのだから… 「まぁ、オレが叩かれても当然のコト言ったんだよ、あんまり言うとみずき、落ち込むぞ、それより…オレって手加減されてたんだよな?」 アキラは軽く笑いながら、ルードを落ち着かせ…聞いている。 「アキラ…、当然だろう…」 その時…不安定だったとしても、アキラに手を上げてしまった事を思い出すのがつらくて、小声で答える。 続けて… 「俺は…アキラを嫌いで叩いた訳じゃないから…ただ、言葉を止めさせたい一心で…」 なんだか言い訳をしているように聞こえる自分の言葉… それでも言ってしまう。 「だから、みずきだけが悪い訳じゃないだろ、ちょっと聞いてみただけだって」 アキラは、軽くみずきをなぐさめながら… 続けて… 「…人を殴るときって、手加減とかできるもんなんだな…」 感心しながらいう。 「そう言えば、アキラが、人を本気で殴ったり叩いたりしてるの見たことないよな…」 ルードが、首を傾げながらいうと… 「確かに叩いたりするとこは見た事ないな、口悪りぃケド…」 アキラに近寄ってきて言うヨシ。 「オレは暴力的なコトしないんだよ…ヨシみたいに乱暴じゃないからな」 アキラは自然に避けながらヨシを睨んで答える。 「わるかったなー、どーせ俺は乱暴者だぜ!つーか、あからさまに避けるなよな!」 「べつに、そば伸びるだろー、早く食おうぜ」 アキラはそう答えさっさとソファへ座る。 「チッ…」 「相変わらずアキラに好かれてないんだな、ヨシって…」 ルードがぼそっと憮然としているヨシにいう。 「面白くねぇな…俺だけ態度冷てーし!平等に付き合えつーの!」 嫌味をこめた口調でヨシは言ってテーブルの周りの床に腰をおろす。 さすがにアキラとは反対側に座っている。

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