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第28話
「お前なぁ、折角俺が酒買ってきたんだから飲めよ!」
ムスっというヨシ。
「オレ未成年だからなー」
「よく言うぜ、都合のいいときだけイイ子ぶってよー」
ケッとなって言い返す。
「だってなー、あんまり旨そうな酒ねーんだもんなぁ…」
「ったく、文句が多い!みろよ、みずきなんか何でも文句いわず飲んでるだろー」
ちょうど酒に口をつけているトコロをさして言う。
「みずきは飲まなきゃダメなんだよ、酔わすのが目的なんだから!な」
アキラもみずきと瞳を合わせウインクする。
そんな可愛い仕草のアキラにドキッとしてしまうみずき。
「質問~、なんでオマエはみずきを酔わせたいんだ?」
片手をあげてアキラに問うヨシ。
「ん?ただ、みずきが酔ったらどうなるか興味あるだけ…深い意味はねーよ!ほら、飲んで飲んで…」
ヨシの質問に答えて、みずきにさらに酒をすすめるアキラ。
「…たぶん、酔わないと思うけど…」
みずきは首を傾げながら酒缶を受け取る。
「みずきが酒強いのって遺伝かなにかか?」
ヨシはみずきに聞いてみる。
「多分な…母親が酒に強かったから、父は弱かったけどな…」
「ふーん、極端な遺伝だな、みずきンちは…」
ヨシは答えを聞いて頷く。
「ヨシは顔すぐ赤くなるし、アルコールに弱そうだよな、これも遺伝?」
アキラが何気に聞くと…
「さぁな、親父が酒飲んで帰ったの見たことねーし、本当の母親の記憶ってほとんどねぇからわかんねーな…」
首を傾げながら答えるヨシ。
「ふーん、お前も母親知らねーのか…」
それを聞いてポツリと呟くようにいうアキラ。
「お前もって、何?」
ヨシがすかさず突っ込む…
みずきも気になってアキラの答えを待つ。
「ん?いや、ルードもだなって思って…」
それを察してか、アキラの答えはみずきが期待した答えとは違っていてアキラの母親についてではなかった。
「ルードの本当の母親もルードが小さい頃に亡くなったらしいから…」
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