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第36話

「えー、オレの?誰が…?」 首を傾げながら、自分のケータイ電話を探す。 ここにいる人以外に番号を教えている人といえば… 以前みずきと別れた時にケータイ変えて番号も変えたから…まだそんなに人に教えていない筈なんだけどなぁ…? そう考えながら微かに音がする方を探すアキラ。 「ソファの上、アキラ、携帯手元に置いとけよ、投げてないで…意味ないじゃん」 さりげなく教えながら注意するルード。 「うーん…だって、かかってくるとは思わなかったんだよー、はーい。誰?」 携帯電話を拾い出てみる。 『もしもし?寝てた?アキ兄』 相手はよく聞き覚えのある声… 「あ、コウジ?」 そういえばコウジにはクリスマスの時に教えたなぁ、などとノンビリ思う。 「えっ!コウジ?なつかしー」 アキラの返答を聞いてルードが驚いている。 『ごめん、なんか瞬助が電話しろって煩くて…起こした?』 「ううん、起きてた、まだ9時すぎだし…何か用?」 アキラは軽く聞く… 『うん…明日ね、瞬が初詣行きたいって言ってて…それで、アキ兄たちも誘えって瞬がうるさくてさ…どう?』 そう気がすすまなそうに誘ってくるコウジ。 「うーん、明日オレたちも初詣いく予定になってるんだ、ルードも来てるよ」 『えっルードくん?仲直りしたの?アキ兄』 なんとなく気まずくなっているくらいしか知らなかったけど… コウジは聞いてみる。 「うん、そんなかんじー」 少し弾んだ声でいうアキラ。 『そっか、よかったね、…なんかアキ兄、酔ってない?』 少しいつもと喋り方が違うな…と思ってコウジは聞く。 「わかるー?少しだけ飲んだ…」 機嫌よく答える。 『もー、アキ兄は…』 酒はアキラの身体に悪いと知っているコウジはまったく、といった感じて息を付く… 「でも平気だって、雰囲気に酔ってるだけだからなー」 『仕方ない兄キだなぁ…ホント、え?ばか、ダメだよっ』 「はぁ?なんだって?」 『あ、ゴメン、ばか瞬が酔ってるアキ兄と話したいっていうから…』 「はは、気に入られてるなオレ…」 軽く笑うと、予想通り… 『む…アキ兄は僕より綺麗だからねー』 少しふてたように呟く。 「ふっ心配しなくても取ったりしねーよコウジ!それより今2人でいるのか?」 おもしろいようにからかわれるコウジが面白くて、聞いてみる。 『えっ…うん、そうだけど…』 「どこにー?」 『…僕の家』 「はは、なんだかんだ言って活用してんだな…自宅!助かってるだろー、なにかと!」 意味ありげにいうアキラ。 『アキ兄ぃ…そんなコトどーでもいいの!初詣、どうする?』 酔うと余計悪戯っぽくなるらしいアキラ。 もうと息をついて、コウジはアキラが話をそらさないうちに続けて聞く… 『お酒なんか飲んで明日行けるの?』 「だーから、雰囲気に酔ってるだけなんだって、気にしすぎ!それに午後からいってもらうから…」 『じゃ、アキ兄たちはどこいくの?初詣』 「ん?うーん、さぁ…」 『さぁって、アキ兄…』 「みずきー、明日どこに初詣いくんだっけ?」 「あぁ…そうだな、アキラの行きたいところでいいよ」 「行きたいトコっていわれてもなー、コウジたちは?」 『一応、定番の神社に行こうかと思ってるけど…』 「んじゃ、オレらもソコ行こうか」 なんだか勝手に決めているアキラ。 ルードはアキラが電話してる間、ヒマなので、どうやら本当にみずきの元で寝てしまったヨシにちょっかいを出していたけれど… 「なぁ、明日コウジに会える?」 軽くアキラにたずねる。 「ん?たぶん会えるだろー、どうした?」

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