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第37話
「なんか久々だからさ、電話代わってもいい?」
そうねだるルードに笑顔でケータイを渡すアキラ。
「いーよ、はい」
アキラの携帯電話を受け取って、スピーカーモードにして話だす。
「もしもし?コウジ?俺、わかる?」
『あ、うん、わかるよ!久しぶり元気にしてた?ルードくん』
優しく言葉を返すコウジ。
「うん、元気元気!なんか心配かけてごめんな!」
久しぶりにコウジと話せて嬉しいルード、元気に答える。
『ううん、え?あ、ちょっと待って…ルード君はアキ兄の友達!』
急に口調を変えて第三者に向かって話しているコウジ。
どうやら瞬助がルードについて聞いたらしい。
「誰かいるの?」
ルードは何気に聞く。
『うん、』
その問いに頷いただけのコウジだが…
「コウは、彼氏とLoveしてんの!」
アキラが横からルードに話かける。
「えーっ!コウジも付き合ってる人いるんだ~意外…凄すぎ、この兄弟!」
驚くルードに…
『ルードくん』
なんだか恥ずかしくて詰まる。
「うん、で、その彼氏がすっげーカッコイイ奴なんだよなー」
アキラが外野からはやしたてるように言葉をだす。
『アキ兄ぃ…もう』
そんなアキラに溜め息混じりで苦笑いのコウジ。
「そうなんだー!アキラが褒めるくらいだから本当にカッコイイんだろーな!明日会うの楽しみ~」
アキラの言葉で俄然会うのが楽しみになるルード。
『はは…』
ルードにカラ笑いするしかないコウジ。
「あ、コウジもさ、また俺の料理食べにきてなー、レパートリー増やしとくからさ!」
『うん、もちろん…ルードくんの料理は美味しいからね』
そう微笑む。
「ありがと、じゃ明日ね、アキラとかわるよ」
ルードはそう言葉を切ってアキラに携帯を返す。
「おう。コウジ、明日のコトまた電話かメールして…」
にこにこしてるけど、なんだか少し眠そうなアキラ。
ルードから携帯を受け取って用件だけ伝えて聞く…
『うん、わかったよアキ兄、じゃ、よいお年を!』
お決まりのセリフを言うコウジに軽く言葉を返すアキラ。
「はは、あと数時間で、あけまして~だけどな、起きてたらメール送るよ!じゃーな」
ご機嫌なアキラは笑顔で会話を終える。
『うん、じゃまた…』
コウジもそのまま電話を切る。
「コウジ、相変わらずだな、ちょっとは背伸びたのかな?」
携帯をまたその辺に投げているアキラに向かって聞くルード。
「うーん、どーだったかな…オレがかわんないから、きっと同じなんじゃねーの?」
首をかしげながら答える。
「どーゆう理屈だよ?つーか、なんで成長期に伸びないんだアキラ?」
ふと疑問に思って聞くルード、自分はこれでもかってほど成長してんのに…
「オレが知るか!呪われてんだろ」
「えっ、呪い?」
アキラの言葉に驚くルード。
「そ、コウジがよくそういってるんだよ、昔から医者な家系だから恨まれて呪われてるんだって…」
「なんで?医者って人助けてるのにどーして恨まれるんだよ」
またまた、ハテナになり問う。
「必ずしも助けられるとはいえないし、どちらかと言うと助からない方が昔は多かっただろうし、それで逆恨みとかされるんだよ、割に合わない職業だよなー医者ってさ」
アキラはしみじみ思って言う。
「ふーん、そうだったのかー」
ルードが関心して頷いてると…
「おいおいー、本気にすんなよ、コウジが気休めに呪いのせいにしてるだけなんだから、きっと楠木の家系遺伝子が特殊なんだろ、チビばっかなのは…」
本気にしているルードを軽く笑いながら言うアキラ。
「はは、でも、背高いアキラなんて変だからこのままのサイズでいいー」
ルードはアキラをすっぽり抱き込んでいう。
「サイズってなー、たぶん、もう伸びねーよ、18だし…ルードはまだまだ伸びそうだよなー、いいなー」
おとなしくルードに身をよせて、称賛を込めて言葉にする。
「俺、これ以上のびてもなー、教室の入り口に頭ぶつかりそー」
「はは、マジー?」
すごく和んでいる2人。
「……」
みずきが少し心の中で妬きながら黙って様子をみていると…
「……あ、アキラ、恋人ほっといたらダメじゃん」
みずきに気付いてルードが言葉をだす。
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