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第38話

「いーんだよ、みずきとは、いつも一緒にいるんだから、たまに来たルードと仲良くしても文句ねーよな!みずき」 アキラはルードにもたれたまま、そう強引に決め付けていう。 「…ほどほどにな」 ぽつりとささやかに止めるみずき。 「ハイハイ、つーか、マジ寝てんのソイツ…」 アキラはみずきの膝上を借りて眠ってるふうなヨシをみて聞く… 「あぁ、その方が静かでいい…」 「ははっ起きてたらアキラとケンカするもんなーヨシ」 ルードも頷いて言う。 「好きでケンカしてる訳じゃねーって、イチイチむかつくんだもんコイツ!」 アキラがムッとして答える。 「ヨシが起きてたら同じこと言ってそう…」 ルードがくすくす笑っていう。 「どっちもどっちだな…」 みずきがボソっというと… 「なんか言った?みずき!」 むっとしてアキラが言葉を返す。 「いや…ルード、日付が変わらないうちに風呂入ってこいよ」 みずきは紛らわしてルードに声かける。 「あ、うん…ヨシどうしよっかなー」 ルードが首を傾げて考えていると…アキラはスッとルードのもとから抜け出して… 「はぐらかすんじゃなーい!」 強引にみずきのところへ座って、みずきの両頬を引っ張る。 「う゛!アキラっ」 びっくりしたみずきだけれど… みずきはちゃんと…アキラが倒れこまないように抱き留める。 アキラは、どっちもどっちと言われたのが不服で、みずきの頬を引っ張ったまま… 「オレは悪くないの、悪いのはヨシ!わかりましたか?」 有無を言わせぬ口調でみずきにいう。 「…は、い」 酔ってるから、本気なのか、からかわれているのか分からないみずきだったけど、とりあえず頷く… 「それでよし!」 満足そうに手を放す。 引っ張られていた頬がヒリヒリ痛むけど、アキラが近くに来てくれたのは嬉しいみずき。 「なんか、みずきにそんなこと出来るのってアキラくらいだよなー」 ルードは、そう感心していう。 「そっかー?けっこうよく伸びるぞ?」 みずきの頬を指差しながら答えるアキラ。 「そーじゃなくて、みずきって見た目、とっつきにくい感じあるじゃん、なのにアキラってお構いなしに悪戯してるからずごいよなー」 頷きながら感心するルード。 「でもオレ、ルードの顔は引っ張れないけど、みずきなら遠慮しないなー、みずきって案外からかいやすいぞ?」 アキラは首を傾げて答える。 「それはアキラだけだって、アキラってけっこう恐いもの知らずだよなー、俺ん事探してきた時も不良グループに1人で乗り込んできたしさ」 思い出しながら話すルード。 「確かにな、アキラは思い込んだら極端な行動に移るから目が離せない…」 みずきもアキラの頬に触れながら頷く… 「おまえは心配しすぎなんだよ!」 みずきに寄りかかり、みずきの髪に触れるように片腕を後ろに回しながら言うアキラ。 「そうか?」 可愛いアキラの顔を間近にみて首を傾げるみずき。 何気にラブラブな2人をぼんやり見てルードがぽつりと答える。 「みずきって、確かにアキラのコトになると過剰に心配するよねー、あと神経質そう、部屋とかいつも片付いてるし、すげーよな」 少し驚いてみせる。 「ん?そうそう、神経質なタイプだよなー、みずきって、その証拠に、すぐ神経性胃炎おこしたり、胃潰瘍作ったりするんだよ、可哀そうな体質だよなー、細かい事気にしすぎなんだよー」 またアキラがみずきの体調についてつっこみをいれる。 「たぶんそれ…アキラが心配させるよーなコトしてるからだよ」 それに素早くルードが答える。 「えー、オレのせいだっての?」 納得いかないと怒りながら言い返す。 「かもしれないってだけ!」 ルードは、ふくれるアキラをなだめるように言う。 アキラは少し考えるように黙る…

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