42 / 145

第43話

そして… あとの2人は、あまり広くもない脱衣場へ賑やかにおしゃべりをしながらやってくる。 「ルードはさぁ、アイツら付き合ってるって知った時どー思った?俺はショックを受けたぜマジ」 ヨシは着ている服を雑に脱ぎながらまたルードに話かける。 「まぁね、俺も腹立ったし…」 頷きながらルードも服を脱ぐ… 「え?なんで?」 「色々と…、ここのタオル使ってもいいのかな?」 置いてあるタオルを手に取ってヨシに一枚渡しながら聞く。 「いいだろ、持ってきてないし、サンキュー」 ヨシは素早く全部服を脱いでタオルを腰に巻く。 ヨシは最後に左手首の青色リストバンドを外しながらルードを見ていう。 「いつ見てもお前の身体は目が覚めるなぁ…」 ルードの身体には義母からの虐待の傷が古傷として刻まれている。 「はは、汚いだろ、でもカラダ大きくなったからか、傷跡だいぶ薄くなったんだぜ、皮膚が伸びたのかな?…この火傷はやっぱアトに残りそうだけどな」 軽く笑って、左肩から腕かけて残るやけどのあとに触れながらいう。 「痛かっただろ?このヤケド…」 ヨシが何気なく聞く… 「うーん、それが、わからないんだよな…」 ルードは首を傾げて答える。 「分からないって?」 「うん、覚えてないんだ…義母さんにやられたのは確かなんだけど、いくら思いだそうとしてもダメなんだよな、やけどしてた期間だけ記憶が抜けてるっていうか…気付いたら火傷の跡があったってカンジで…」 ルードもタオルを腰に巻いて浴室の方に入っていく… 「そっか…」 「ヨシはそんなことってある?」 「俺?俺はねーと思うけど…」 「やっぱ俺、頭の中、どっかおかしいのかな?背中にも大きい傷あるだろ、それもいつ怪我したのか覚えてないし、アキラに教えてもらうまで怪我してること自体知らなかったんだぜ、変なの、自分のことなのに…」 確かにルードの背中には刀で切られたような傷跡が肩ぐちからナナメに大きくついていた。

ともだちにシェアしよう!