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第52話

「アキラ…」 みずきもアキラに並んで、ふらついても支えられる位置にくる。 「アキラ!みずき!早く来いよっ年明けまで2分きったぜ!」 奥から出てきたふたりをルードが急かすように呼ぶ… 「わかったわかった…」 アキラは一応答えてゆっくりと戻る。 「アキラ、大丈夫?」 その様子をみて、ソファに座るアキラに声かけるルード。 「うん、ヘイキ…」 ルードにはそう言ってしまうが… 「少し熱が上がってきているから、風邪のひきはじめだろう…」 すかさずフォローをいれるみずき。 「アキラ、風邪ひきやすいからなぁ…やっぱ、さっき髪すぐに乾かさなかったからだよ!」 ルードが思い出したかのようにいう。 「はは、かもなー」 ちょっと苦笑いのアキラ。 「取り敢えず…年明けたら先に休ませるから…」 みずきはアキラの横に座りながら伝える。 「うん、そのほうがいいよ、悪くなって明日行けなくなったら、つまんないし…」 ルードは頷いて賛成する。 「どーせなら留守番してろよ」 ぼそっとヨシが呟くとアキラは… 「絶対嫌だ、オレがいかないなら…みんなも行かせない!」 留守番という言葉にカッとなって言い返してしまう。 「わがままだなー、アキラは…」 ルードがそう呆れたように言うと… 「…ごめん、嘘…イライラしてるだけ…」 また、カッとなってバカなことを言ってしまったな…と、ちょっと後悔しつつ謝るアキラ。 「アキラ…」 みずきが気遣うように、そっと肩を抱く… 「アキラ、ホントだいじょーぶ?」 元気ないアキラの様子を変に思って、もう一度聞いてしまうルード。 「うん、ほら、カウント…」 テレビのカウントダウンが、もう20秒をきっているのを差していう。 「あ、本当だ!数えよー、16、15~って、みんなも一緒に数えようぜ~、ヨシ!」 少しまだ不機嫌ぽいヨシを呼んで… ルードは、どかッと勢いよくヨシの背中に乗り掛かる。 「ぐぇ!わかったから乗るな!」 ルードの行動に驚きながらも笑顔を見せる。 ルードはヨシの隣にくっついて座り… 「アキラたちも数えよー、ほら、9、8…」 大きな声で数える。 ヨシもつられて数えている。 「…みずき」 アキラはみずきと瞳を合わせて…数えようと促す。 「あぁ」 そっとアキラと指を絡めながら頷き… 『…5、4、3、2、1…』 4人、声を揃えてカウントする。 そして…新たな年明け… 「ゼロ~!!明けましておめでと~」 そう、お決まりのセリフを口にするルード。 「おめでと、ルード…」 アキラが優しく言葉を返す。 「おう!ヨシも、おめでとー」 ルードはヨシの頬に軽くキスしながらいう。

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