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《元旦の朝》

そうして、みずきのアパートで元旦の朝を迎える4人…。 朝8時を過ぎた頃、一番に目を覚ましたのは、やはりみずき。 そっとアキラの表情を確認する。 顔色は悪くない、熱は下がったのだろうか…などと思いながら… アキラを起こさないようにそろーっと布団から抜け出す。 取り敢えず部屋の暖房をつけていく… アキラより先に起きて暖房をつけるのが冬の日課になっている。 ヨシたちがいる部屋へ移動して、ここでも暖房をつける。 「んー、あ、みずき?…今何時?」 その音で目を覚ましたのはルード。 「…あぁ、8時過ぎだ、まだ寝ていればいいから…行動するのは昼過ぎてらだろうし…」 みずきはそう熟睡しているヨシを見て答える。 「みずきは?」 ルードはソファに寝転んだまま問う。 「俺も、アキラが起きるまで、ゆっくり過ごすから…」 チラっと寝室の方を目で差して答える。 「そうだ、アキラ大丈夫そう?」 思い出したように聞いてくる。 「…見た感じは良さそうだったが、起きてみないと分からないな…」 みずきも首を傾げ言う。 「そっか、…あ、朝飯プラス昼、俺が作るからいいよ、って言ってもご飯炊かないからサンドイッチ系だけどな!」 そう笑顔で伝えてくる。 「あぁ、ありがとう。それじゃ…」 みずきは頷いて再び寝室へ… まだ暖房がきいていないので、結構寒い… みずきは雑誌を片手にベッドまで戻る。 布団に入って読もうと思って、またアキラを起こさないようそっと布団の中へ入るが… 不意にアキラが寝返りしてきて冷えた自分の足とアキラの足が当たってしまう。 「…!」 「ん、冷たい!」 ぽそっと怒ったようなアキラの言葉に… 「す、すまない、……アキラ?」 反射的に謝るみずき、起こしてしまったかと名前を呼ぶが… 当の本人は身体を丸め布団に潜り込みながら… 反射的に口走っただけのアキラ。 少しみずきから離れてまた夢の中…。 アキラが離れてしまってちょっぴり淋しいみずきだけど… 起こしてしまった訳ではないので、アキラの髪を軽く撫でて…ほっと息をつく。 それから… 約1時間ほどして、アキラは目を覚ます。 「…おはよう」 瞳を開いて、ぼーっとしているアキラに気付いて声をかけるみずき。 「…ん、朝?…はよ」 「あぁ、9時過ぎたところだろう…身体は大丈夫か?」 そっと額に手を当てながら聞く。 「ん、…ヘーキ、熱も下がってると思うし…」 ふっと笑顔をみせて答えるアキラ。 その可愛い笑顔に多少ドキドキしながら… 「…まぁ、念のため熱をはかって…」 みずきはアキラに体温計を渡す。 「ハイハイ…けど、少しくらい熱あっても行くからな」 体温計を脇に入れみずきをみる。

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