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第67話

淡い茶系をベースにした、落ち着いた感じの冬スタイル、アキラのセンスはいいようで… なかなか本人に似合っている。 「うん、すっげーみずきって感じ、かっこいいぜ!」 ルードは同意して褒めてくれる…が。 「アホ、みずきは何だって似合うっつーの!」 ヨシはまだ尾をひいて…辛口トーク。 「むか。…でも、一番目立つのはルードだよな、もう格好がビジュアル系モデルだよ」 アキラはヨシにムカつきながらも、話をそらす… ルードは透けるような金色の髪に、身体のラインが分かるほどスラッとした黒の上下…それに合わせたコートとマフラー、こんな中1は…普通いない。 「だからモデルなんだろ?ルードは…」 ヨシのツッコミ。 「…もう、いちいちムカつくなぁ!」 「どっちが…」 また、2人の口喧嘩が、はじまろうとするのを懸念してみずきが仲裁の意味でヨシに話かける。 「ヨシ、早く車をとって来い…お前が動かないと、いっこうに行けない」 部屋の出入口のドア前からなかなか進まないヨシを促すみずき。 「へーイ、わかったって!」 行きますよ、とサングラスを頭の帽子まで引き上げてつけて、走って車を取りに出る。 「ははっ、ヨシとアキラって見てて面白いな!」 ルードは笑いながらいうが… 「…どこが、ハラ立って疲れるだけだよ」 アキラはぶすぅーとふくれて言い返す。 「可愛いー」 ルードによしよしされて、今度はふくれたまま言い返すアキラ。 「可愛くない!」 年下のルードに見下ろされて言われるのは、けっこう悲しいアキラ。 カッコイイ服装をしたいけど、サイズが合わないのもまた悲しい。 「アキラ、よく似合ってるから…」 すっとアキラを抱き寄せるみずき。 言いそびれていたコトを伝えて…まだ少しふくれているアキラに軽く口づける。 ちょっとだけ、ルードがアキラに過剰に触れていることが許せなくて、わざとルードの目の前でキスしてみせる。 「あ、いいなー、俺も1回キスさせて?」 ルードはすぐに反応して言ってくるが… 「駄目…」 みずきはきっちりお断りする。 「ちぇっ、みずきのケチー!」 今度はルードがふてくされた顔になる。 「はは…、ルードも可愛い可愛い!」 そのルードが面白くてアキラは笑ってしまう。 「笑うなよ、アキラー。な、キスくらいイイじゃんな!」 ルードは不納得な顔で今度はアキラに言う。 「うーん、そーだなぁ…ココは、みずきの特許ってことで、頬にならいいよ」 アキラは軽く首を傾げて、唇をさしながら答える。 「むー」 まだ、納得してないルード… 考えている様子。 「…ほら、もう車に向かおう。ヨシを待たせたら、うるさいから…」 みずきはアキラの言葉に軽く動揺する。 本当はどこであろうとキスなんかさせたくない… 適当に言葉を選び2人を外へ促す。 これ以上話が進まないうちにと思って…

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