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第73話

「アキラは?」 ルードはアキラにも聞く。 「小吉かな」 おみくじを見せて答えるアキラ。 「小吉っていいの悪いの?どっちなんだろ?」 そう首を傾げるルード。 「さぁ、どれも受け取り方次第なんじゃね?」 それに答えるアキラ。 「ま、それもそうだな!」 頷き笑って、続けて言うルード。 「ここにくくって帰ろ~隣にくくってヨシの大凶中和してあげる」 「おう、サンキュ!」 そんなこんなで、ルードはヨシの大凶の隣に大吉みくじをくくりつける。 「あ、じゃ、俺も大吉だから挟んじゃいましょー!」 瞬助も思いついたように、ヨシの隣にくくりつける。 「はは、サンキューな」 笑いながらお礼おいうヨシ… そこへ… 「あの!!すみません!!写真撮らせてください!!」 「は?」 「え、俺ら?」 ヨシ、ルード、瞬助の3人に、横から声がかかる。 若い女子高生くらいの女の子3人組だ… 驚いているルードとヨシの代わりに瞬助が答える。 「今日はプライベートだからダメだけど、俺、医大付属高校で陸上やってんだ、土曜とか午前中第二グラウンドでやってるから見に来ていいよ、その時なら写真オッケーだから」 「そうなんですか!ありがとうございます」 「あ、じゃ、握手してもいいですか!」 「オッケー、ありがとう」 手馴れた感じで握手している瞬助。 きゃぁきゃぁと喜ぶ女の子達。 ついでにヨシやルードも握手している。 「あーもう、またやってる…」 その様子を見て、少し離れた場所からイライラした感じでつぶやくコウジ。 「彼、人気者だな、普通に話しかけられたりするんだ」 アキラは感心して言う。 「背高くて目立つからね…しかもああやって愛想よくするからよけい人気出てファンが増えるし…だから外歩きたくないんだよ…」 「まぁ、仕方ないんじゃない?ある程度は…」 アキラはなだめるようにコウジに言う。 「うーん、わかってるけど…」 独り占めにはできないのはわかっているけれど、他の女の子に優しくしている姿なんか、できる限り見たくないと思ってしまう。

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