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《元旦の夜》

初詣から帰宅後、みずき宅でルードの夕食をみんなで食べて、お開きになったのが夜の10時過ぎ、さすがに疲れたのかみんなが帰ってからアキラは口数が減って、かなり眠そうだ…。 「アキラ、風呂が沸いたが入るか?」 ソファで休むアキラに、そっと声をかけるのは、このアパートの家主のみずき。 「ん?うん、入るありがと」 それに何だか、ぼーっとして答える。 みずきの最愛のひと。 「大丈夫か?」 体調を崩しやすいアキラを心配するが… 「ん、」 短くうなずいて、ソファから立ち上がろうとする。 それをさり気なく助けながらさらに聞くみずき。 「髪洗うか?」 「今日はいいや」 軽くあたまを振って答え、マイペースに脱衣所までやってくる。 「わかった、何かあったら呼んでくれ」 その場までついて来ていたみずきだが、アキラが服をぬぎ始めたため、慌てて視線を外しながら伝えて退室する。 「 ん、じゃ…」 そんなことはお構いなしで服を脱いで風呂場へ入って行くアキラ。 みずきはテレビを見ながら待っていたが、いつも出てくる時間になってもアキラが出てこない… 「……」 心配になり、様子を見に行くことにする。 風呂場の戸の前まで来て、そっとアキラを呼んでみるみずき。 「アキラ?大丈夫か?」 「…… 」 中から反応がない… ますます心配になるみずき。 「アキラ?…アキラ開けるぞ?」 そっと、浴室の中を覗いてみる。 「…!?」 「アキラ!?」 そこには、浴槽につかり縁に頭を預けて伏せているアキラの姿… 慌てて駆け寄るみずき。 「アキラ!大丈夫か!?」 「……」 反応がない。 むき出しの、白い肩に触れ…焦りながらも、アキラを呼ぶ。 「アキラ!?…アキラ!」 すると… 「…ん、」 ちいさく、ぴくりと身体を動かし反応見せる。 「……」 アキラから反応が返ってきて、ほっと安心しながら…もう一度声をかける。 「アキラ?どうした、大丈夫か?」 「ん…?あれ…オレ…」 なんだか寝起きでぼーっとしているアキラ。

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