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《終了撮影》

それから数日が経って… 1月12日、終撮当日の朝。 みずきは、朝から仕事だったので、眠るアキラを起こさないよう支度する。 いつもならそのままアキラを起こさず仕事に行くのだが… 今日はアキラが泊まり込みの撮影で戻ってこないので、そっと声をかける。 「アキラ…行ってくるよ、また…明日な…」 眠っているアキラの手に触れて言う。 「…ん?…うん…」 すっと瞳を少しだけ開いて頷くアキラ。 「……」 起こしても怒ってはいないようなので、みずきは優しくアキラに口づける。 「ん…早く行けよ…」 唇が離れると、アキラは寝言のように呟く… 「あぁ、行ってくる。アキラも気をつけて…」 瞳を閉じているアキラにそう伝えてみずきは仕事に出掛ける。 今日、確実にアキラが別の誰かに抱かれる。 そう考えるとつらくなるけれど… これが最後の撮影だから…と自分に言い聞かせて仕事に集中するみずき…。 それから数時間経ち、昼前にアキラも家を出てBOUSへ向かう…。 「…おはようございます」 表の店番をしていた先輩に挨拶するアキラ。 「サクちゃん、おはよー、今日終撮なんだってね、がんばってね」 「はい、ありがとうゴザイマス」 頭を下げ礼を言い、奥のエレベーターへ進む… アキラはエレベーターで3階まで上がり、IDカードを通して… 裏のBOUSへ入る。 「お、きたきた、サクヤ!終撮だって?ちょっと早いんじゃねーか?」 すぐ絡んでくるのはナンパ師の撮影助手ナギ。 アキラに歩幅を合わせ軽く声をかけてくる… 「はよっす、時間ないんで…すみません」 やれやれと言葉を濁し謝ってミーティングルームを目指すアキラ… どうやらみんなに知れられているようだ。 「少しは相手してけよ、撮影助手はしないのか?」 アキラの腕を捕らえて言うナギ… 「ふぅ、しませんよ」 仕方なく息をついて答えるアキラ… 早く辞めたくて交渉したんだから… 「そうか、残念。売上ランク上位のサクヤがBOUSを辞めたら寂しくなるな…」 アキラの茶色い前髪を掬い、頬に触れて囁く… 「…他にもイイ性優いるし、オレが辞めた所で変わらないですよ…すぐ次が入るだろうし…」 そう、ナギの手をさりげに避けながら言う。 「そんなことはないだろ…撮影終わったら挨拶に来いよ、待ってるから」 言い終わるのと同時に…アキラの唇を自然に奪うナギ。 ここではキスなど挨拶ていどなのだ…。 長めのキスを終え、意味深に笑うナギに… 「……はいはい、じゃ行きます」 頷いて、ようやくナギの手から解放されるアキラ。

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